【猫背・内巻肩によって起こる症状】

首や肩の筋肉の疲れ、筋緊張性頭痛、首や肩や背中の痛み、腰痛、自律神経の乱れ、肩関節周囲炎、頸椎ヘルニアなどがあります。

【考えられる原因は？】

猫背や内巻肩は肩甲骨が通常の位置よりも外側にずれることにより胸部や肩前面の筋肉が収縮することにより背面の筋肉が伸ばされ肩は正しい位置よりも前下方向に引っ張れて内巻きに捻じれてしまいます。姿勢が悪い状態でデスクワークなどを長時間行うことによって次第に姿勢が悪くなってきます。座る時の姿勢が特に重要で骨盤が後ろに倒れてしまうと上半身はバランスを取るように前側に倒れて背中が丸くなって猫背になっていきます。

【当院での猫背・内巻肩に対する考え方】

猫背や内巻肩の症状がある方は長時間の同一姿勢が続くことが多いか運動などを全くしていない人が多く背中の肩甲骨周辺の筋肉が弱くなっていることが多いです。小胸筋や大円筋や小円筋や前鋸筋が固くなることによって肩甲骨は背骨から離れる方向に引っ張られて背中の丸みを作り、上腕二頭筋や三角筋や大胸筋が固くなることにより肩関節は内巻きになってしまいます。それらの固くなっている筋肉をほぐしていくことで肩甲骨や肩を背中の方向に近づける事が出来るようになります。猫背や内巻肩になると肋骨の動きが悪くなってしまうので呼吸をする時に胸郭という胸のかごがありその中には肺が収まっています。横隔膜が下がることで肺が膨らんで肋骨はその時外方向に開き横隔膜が上がる時には肺は縮み中に入った空気を吐き出します。姿勢が悪くなることによって呼吸をした時に吸い込める酸素の量が少なくなり充分な酸素が体の中に取り込めないと筋肉や脳や内臓などの働きが悪くなり体の不調が出るようになります。

猫背だからといって首や肩や背中の後ろ側の筋肉をほぐしても前側の筋肉が緩んでいなければ正しい姿勢を取ることは出来ない為大事なのはあくまで前側の筋肉の柔らかさだと考えています。運動していない人は自分の体をコントロールする事が出来なくなってしまっている為肩甲骨と肩関節を自分の動かせる範囲の中で動かしたりストレッチをかけると関節の可動域や痛みが軽減していることが多いです。もちろん骨盤の歪みと足の長さの違いなども影響するので矯正をするときは全身行います。

【猫背・内巻肩の予防方法】

座る時の姿勢は椅子に深く腰掛けておしりの骨の座骨で座るように足裏全体が床に着くように足首の角度はなるべく90°くらい膝の角度も90°になるように意識します。骨盤を立てて肩甲骨は少し背骨に近づけるようにパソコンなどをよく使う方は肘を90°曲げて脇を締めて肋骨に腕がくっつくようにして手のひらをそのまま地面に向けてその位置にキーボードを持ってくるようにしましょう。頭の位置は骨盤の一直線上に来るようにして画面の位置は頭の位置よりもやや下であごを少し引いた状態で画面を見れると理想です。

ストレッチは胸から肩の前側の筋肉の大胸筋や三角筋や上腕二頭筋をストレッチすると胸を張りやすくなります。まずは肩幅くらいに足を広げて伸ばしたいほうの肩を壁に向けて肩を自分の横から上げていき腋が９０度くらいになったところで止めて肘を９０度曲げて壁を使ってその状態を固定して体を反対側に捻りましょう。この時は右を伸ばしたいのであれば左に、左を伸ばしたいのであれば右に上半身だけではなく腰を捻って体全体を連動させて伸ばすようにしたほうがよくストレッチされます。

他にはウォーキングやジョギングなど軽い有酸素運動もおすすめで行うときは運動する時間や距離などではなく、関節を大きく動かす意識を持って運動を行うと関節の可動範囲が広くなったり筋肉が伸び縮みすることによるポンプ作用で血流の促進や代謝亢進など体にとってはいい事尽くめですね！